書籍紹介
未来をつくる事業承継
~本質は受け継ぐ、手段は変える~

著書より書籍をダイジェストでご紹介(36:15)
事業を次世代に引き継ぐときに、本質を守りつつ革新するための、実践的指南書
育ててきた事業を次世代に引き継ぐ際、
- 事業の「価値」についてあらためて考える
- 引き継ぐべき「本質」について後継者と「対話」する
- 「ネットを活用」してイノベーティブに革新する手段を磨き上げる
これらが重要になります。
事業承継で重要なのは、会社のDNA、つまり経営理念や技術、ノウハウ、会社の文化など、事業の核心部分を次の世代にしっかりと受け継がせることです。
会社の価値を高めて売却する方法や、節税策、次代への株式の移転など、資産中心の施策だけでは不十分です。
財務資産の移転よりも、培ってきた製品開発の原点や顧客や地域との信頼関係など、目に見えない経営資源の承継の方が、はるかに重要なのです。
引き継ぐべき経営資源は何か、またそれをどのように新しい形として提供していくのかについて、現経営者と後継者が対話し、ビジョンを共有して、息を合わせて承継を進めることも大切です。
もし小さな会社で、親が子に承継させたい場合は、親子間できちんと対話することが重要でしょう。
また、現時点で企業が利益を出せてない場合、ネットを活用して商品やサービス、ビジネスモデルなどを変革し、V字回復させる必要があります。
時代の変化が早い昨今、これから30年、40年先を見据えた事業計画を描くには、IT・デジタルをはじめとする様々な専門的な知識と視点も必要になります。
本書では、インターネットを活用したネット調査や分析、SNSやクラウドファンディングを使用したユーザーとの共創、ネットショップの展開やショップへの集客・送客施策などを解説しています。
会社の経営者だけでなく、そのような会社から相談を受けたりコンサルティングを頼まれたりしているウェブ制作やウェブコンサルティングに携わっている人にも役立つ内容となっています。
実際の事例を交えつつ、事業承継を考え始めている経営者、やがて検討せざるを得ないと感じている経営者、そういう会社と併走しているウェブコンサルタントの方々のために、図・イラストを活用して、ポイントが分かりやすいよう解説します。
著書について
金子 智彦(かねこ ともひこ)
株式会社STRUQTURE 代表取締役
一般社団法人イグジットプランナー協会 代表理事

1968年、三重県生まれ。早稲田大学商学部卒業、米国メリーランド大学経営学修士(MBA)、上級ウェブアドバイザー、組織文化コーディネーター。
外資系企業の日本法人でCFOを務めた後、2015年に経営コンサルタントとして独立。2019年に認定イグジットプランニングアドバイザー資格を取得し、事業承継の専門家として活動開始。2021年から藤原尚道氏が主宰するリーダーシップ道場で組織心理学と行動科学を学び、一般社団法人リーダーシップ研究開発機構の理事にも就任。財務・定量的管理のみならず、知的資本や組織・人材の課題といった定性的な分野にも精通し、事業承継において独自の強みを発揮する異色のコンサルタントである。
権 成俊(ごん なるとし)
株式会社ゴンウェブイノベーションズ 代表取締役
一般社団法人 ウェブコンサルタント・ウェブアドバイザー協会 代表理事

ウェブ時代の新しい戦略の立案、実行を支援するウェブイノベーションコンサルティング会社。
集客など「対症療法としてのウェブ活用」ではなく、自社の提供する価値から見直す「根本治療としてのウェブ活用」を提案。
戦略、マーケティング、実行を一気通貫にすることで、多くの実績がある。
2013年から教育に注力。子会社として、一般社団法人ウェブコンサルタント・ウェブアドバイザー協会を設立。著書に『アマゾンにも負けない、本当に強い会社が続けていること』(翔泳社)、『なぜ、あなたのウェブには戦略がないのか?』(技術評論社)ほか
登録情報
出版社 | マイナビ出版 (2024/11/26) |
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発売日 | 2024/11/26 |
言語 | 日本語 |
単行本(ソフトカバー) | 208ページ |
ISBN-10 | 4839986738 |
ISBN-13 | 978-4839986735 |
寸法 | 1.4 x 14.8 x 21 cm |
UNSPSC-Code | 55101500 (印刷出版物) |
目次
未来をつくる事業承継
「承継革新」で家業の未来を変える! 金子智彦
事業承継という飛躍のチャンスを生かす! 権 成俊
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第1章 事業承継の課題を乗り越えるのは「家族内承継」
◆「後継者がいない!」事業承継の2025年問題
日本企業の約半数が廃業の危機
事業承継の2025年問題から生じるリスク
事業承継の現状と家族内承継の展望
◆承継すべきは「商売」ではなく「事業」
会社は今、成長曲線のどこにあるか?
資産を「分け合う」ではなく「増やす」
◆承継革新とは、「親子承継対話」と「イノベーション」
家業の未来を描くために欠かせないのが対話
家業の根っこを承継する
現状から7割変える
子どもが知らない親の姿を伝承する
事業承継は「人を育てる」視点を持つ絶好の機会
事業の未来をつくるイノベーションが不可欠
◆特別寄稿①
—欧州を学ぶべき日本の事業承継— 池上重輔
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第2章 イノベーション型事業承継事例 —「ゴンウェブイノベーションズ」が手掛けたコンサルティング事例から—
◆事例① 上澤梅太郎商店
栃木県日光市の老舗漬物屋におけるイノベーション型事業承継
後継者の視点「事業を継ぐべきか」
調査分析から見えた、老舗の強みと弱み
ヒアリングからミエタ和朝食へのこだわり
汁飯香の店 隠居うわさわ
新たなサービスの開発
◆事例② 小林大伸堂
福井県鯖江市 100年企業におけるイノベーション型事業承継
開運印鑑
「背中を押す」という価値
街のすべての人の人生を見つめてきた「人生に詳しい人」
強い想いを込めた贈り物
ウェブサイリニューアルで売上が1.5倍以上に
感動を生む三つの要素「名印想」
新商品「こまもり箱」の開発
事業承継を目指して新規事業を推進中
◆特別企画
「承継者」「後継者」のホンネを公開! — 事業承継座談会レポート —
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第3章 事業変革 — 新しい市場を探す
◆インターネットがもたらした3段階の社会変革
・インターネットの登場
・常時接続環境
・スマホとモバイルインターネット
◆ネット中心消費行動
ネットショップの競争が激化
消費者接点はネットに移行 BtoBでもネットの情報が重要に競争のルールが変わった
◆新しい商品・サービスを開発せよ
新しい「ニーズ」の発見
事業承継はイノベーションのチャンス
◆インターネットイノベーション手法 ―3つのSTEP―
インターネットを活用しつくす
STEP1 ネット調査
STEP2 SNS・クラウドファンディングによる共創
STEP3 集客・ネット通販
【戦略立案入門】
インターネットイノベーションのための戦略フレームワーク
「選ばれる理由」を明らかにする —ABC分析
コラム①
イノベーションを促す7つの習慣
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第4章 イノベーションの源泉は「ビジョン」
◆「現状維持承継」から「親子ビジョン承継へ
ビジョンなくしてイノベーションは創出できない
なぜ「親子ビジョン」なのか?
◆童話から考察するビジョンとイノベーション
時代と市場の変化にも適応したビジョン
コラム②
義理の子どもへの家族内承継
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第5章 「親子承継対話」の進め方
◆親子の対立を避けるために必要なこと
大切なことは違いを認め、知る努力
事業承継は「最後の子育て」
対話の際に「親が注意すべきこと」
後継者にとっての教訓
親子の対話が難しい場合、第三者の支援が有効
◆「親子承継対話」の実践
親子承継対話の概要と進め方
親子承継対話のルール
テーマによってアプローチを変える
コラム③ 退任後のこと、考えていますか?
著者金子が推奨!“第二の人生”のためのチェックリスト
■特別寄稿 ②
“京都の老舗6代目”が提言 ファミリービジネスの事業承継の在り方 — 吉村正裕
コラム④
注目される第三者承継
著名金子が提言!事業承継のM&A市場の現状
あとがき
「根っこ」を大切に新たな“花”を咲かせる 金子智彦