RBV(リソース・ベースト・ビュー)理論を活用した無形資産の承継

事業承継では、設備や資金といった目に見える資産だけでなく、無形資産(組織文化、ノウハウ、信頼関係)が重要な役割を果たします。しかし、どの無形資産を引き継ぐべきかを判断するのは簡単ではありません。ここで役立つのが、バーニーのRBV(リソース・ベースド・ビュー)理論です。 RBV理論では、会社の競争力の源泉となる資産は「価値(Value)」「希少性(Rarity)」「模倣困難性(Inimitability)」「組織活用可能性(Organization)」の4要素を満たす必要があるとされています。このVRIOフレームワークを活用すれば、引き継ぐべき無形資産を明確化できます。 例えば、地域の伝統工芸企業では、熟練の職人技(価値)、他社にない地域特有の歴史(希少性)、文化や想いの融合(模倣困難性)、後継者と現場が連携した新商品開発の仕組み(組織活用可能性)が、未来につなぐべき無形資産として挙げられるでしょう。 RBV理論を使い、無形資産を評価・選定することで、後継者が何を守り、どこに新たな価値を創造すべきかが明確になります。これに親子で取り組むことで、事業の持続可能性と未来へのイノベーションが同時に実現するのです。