100年企業を目指すなら、ダイナミックケイパビリティを事業承継に活かす

デビット・ティースが提唱した「ダイナミックケイパビリティ」とは、変化の激しい環境で企業が自分たちの強みや資源をうまく活用し、柔軟に対応していく力のことです。この考え方を事業承継に取り入れることで、単に経営を引き継ぐだけではなく、事業を新しい形に進化させることができます。 多くの事業承継では、現経営者が築き上げたやり方に固執しがちです。しかし、それだけでは市場の変化についていけないこともあります。後継者がダイナミックケイパビリティを活用できると、新しい環境に合わせて事業を見直し、変えていく力を身につけることができます。この力には、 (1)市場の変化に気づく力、 (2)会社の資源をうまく組み合わせ直す力、 (3)新しいアイデアを実際に形にする力 が含まれます。 たとえば、家族経営の伝統産業でも、デジタル化や新しい市場への進出に後継者が挑戦することで、事業をさらに発展させることができます。また、家族経営特有の信頼や絆を守りながら変革を進めることも重要です。 事業承継は、ただ過去を受け継ぐだけではありません。過去の強みを活かしつつ、未来に向けて事業を進化させる柔軟な姿勢が求められます。これこそが、次世代の経営者に必要なダイナミックケイパビリティの力と言えるでしょう。